髪を束ねて弱さを捨てる

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髪を束ねて弱さを捨てる

▪過去作訂正。言葉遊び(お題バトン)より 朝陽if編導入部、善吉×白夜。 ━━━━━━━━━━━━━━━     いつの時代でも囁かれる。“髪は女の命だ”と。 だからこそ、この命を一度捧げるまでに愛した彼と同じ髪型にしようと。 雑草みたいに束ねられたツンツン髪。 好きで、今も忘れられなくて、忘れたくなくて。 けれど彼を想えば想う程、愛憎に塗れてしまうから。 良き思い出として飾る為にも、この命を貴方色に染めましょう。 そうして髪を束ねて弱さを捨てる。壊れずに、壊さずにいる為に。    「白……?」 「……………」 「その髪はっ……」 「……………」 「何故そんな事を……?」 「……忘れたくないから」 「似合わない。今すぐに辞めるんだ」   鏡越しから覗く、善吉さんの顔が険しくなっていく。 だけどそんなの、気にする程の心は私には無くて。 「それじゃあまるで自虐だよ。 自分を縛る鎖をこれ以上増やしてどうする?」 自虐、か。それでも良い。 生きた数と共に彼の姿が刻み込まれるなら、それだけでーー ……END ━━━━━━━━━━━━━━ そしてこの髪(鎖)を解くのは善吉じゃなく、朝陽である。
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