18人が本棚に入れています
本棚に追加
髪を束ねて弱さを捨てる
▪過去作訂正。言葉遊び(お題バトン)より
朝陽if編導入部、善吉×白夜。
━━━━━━━━━━━━━━━
いつの時代でも囁かれる。“髪は女の命だ”と。
だからこそ、この命を一度捧げるまでに愛した彼と同じ髪型にしようと。
雑草みたいに束ねられたツンツン髪。
好きで、今も忘れられなくて、忘れたくなくて。
けれど彼を想えば想う程、愛憎に塗れてしまうから。
良き思い出として飾る為にも、この命を貴方色に染めましょう。
そうして髪を束ねて弱さを捨てる。壊れずに、壊さずにいる為に。
「白……?」
「……………」
「その髪はっ……」
「……………」
「何故そんな事を……?」
「……忘れたくないから」
「似合わない。今すぐに辞めるんだ」
鏡越しから覗く、善吉さんの顔が険しくなっていく。
だけどそんなの、気にする程の心は私には無くて。
「それじゃあまるで自虐だよ。
自分を縛る鎖をこれ以上増やしてどうする?」
自虐、か。それでも良い。
生きた数と共に彼の姿が刻み込まれるなら、それだけでーー
……END
━━━━━━━━━━━━━━
そしてこの髪(鎖)を解くのは善吉じゃなく、朝陽である。
最初のコメントを投稿しよう!