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船から下りた俺は、まず最初に寝る場所を探すことにした。当然、頼る身内や友人とかはここにはいないし、野宿は絶対に嫌だからホテルだ。トイレと風呂(なんならシャワーだけでも良い)があって、布団があって、安くて、1人用…ちょっと条件が多いか?
港の近くのバスに乗り、とりあえず駅前へと向かう。窓から見る景色は新鮮だった。
故郷では見たことのない高いビル、密集した人や建物、賑やかな声・音、その全てに、俺の心は震えた。これ以上の感動がまだまだあるのかと思うと、わくわくして堪らない。
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駅前に到着した。時計台の時刻は7時。この時間帯だと、通勤ラッシュとか、登校ラッシュっていうヤツがあるのかな?
付けているマスクが暑い。ズボンのポケットからハンカチを取り出し、マスクの中を拭く。…痣に触れて、少し痛かった。
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