醜い俺の前に現れた星

本編

　自販機でジュースを買おうか迷ったが、節約をしたいので、結局、家から持ってきた水筒の麦茶を飲む。魔法瓶だとか言われているそれに入った水分が、気持ち良い。リュックサックに再び入れる。スマホの地図を見て、ホテルを探せば良いだろう。でもやっぱり、涼しいところでやっとくべきか。熱中症で倒れたりしたら、病院に運ばれて、そこから家に送り帰されてしまう。それだけは絶対に避けたい。地図を見る限り、駅前近くに図書館があるらしい。そこに行こう。

ドンッ

「あっ、すみません」
　地図に集中して余所見をしていたせいか、俺は人にぶつかった。ぶつかった相手は、無言で去って行った。変なアルファベットの描かれたシャツを着た、何だか柄の悪そうな男だった。