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先程見た高齢の女性とは違う、けれど簡素な衣服。元の世界で、女性は長い丈のドレスを着ていたから、膝丈で足の出ている衣装など初めて見る。
「どちらからいらしたんですか? 軍服……ってことは、米軍の方ですか?」
そういうのは見たことないですけど、と呟く少女に、クレイセスは答える。
「私は、セルシア騎士団に所属している、クレイセスと申します」
「クレイセスさん、ですか」
ベーグン、とは、この世界の組織なのだろうと見当をつけて答えたが、少女が拾ったのは名前だけだった。まじまじとクレイセスを見ながら、次に何を聞くべきか、迷っているのがわかる。
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