君から貴女へ

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毎年梅雨入りすると「暑い暑い」と言いながら、汗を異常にかく様子が恒例行事。自身の額に濡れタオルを当てて、デスク上では凍らせたペットボトルを小扇風機前に置き、強風を自分に向けて送風。部屋のエアコンの設定温度を下げる為に、部屋入口の外側にあるスイッチを出入りする都度押していた。温度設定を下げるのは、君と僕の2人のみ。他圧倒的多数は、設定温度が下がっていると気づくと設定温泉を元に戻しちゃう。毎年、エアコン温度の攻防戦が勃発。下げる派は惨敗、泣く泣く撤退。仕方ない、100円ショップで買った卓上扇風機をプレゼント。凍らせたジュースのペットボトルを差し入れ。これくらいしか出来なくてね。試しに冷却スプレーなるものを渡してみたけど、顔が冷却液でドロドロになって周りから大不評だったなぁ。これからも何年も、夏前はこんな騒ぎが続くと思っていた。
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