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父に教わったことといえば——人の道を一度外れるともう二度と元の道には戻れない。ということだろう。
一人寂しく天に召される時——いや、もっと前から、父は後悔していた。
許されることならば娘に会いたい。そう願っていた。
でも、神様は父の願いを聞き入れなかった。
父は死に。私は父の死を知らされた。
私は神様に感謝した。
私の願いを叶えてくださりありがとうございます、と。
父は一人で逝くべきだった。
家族に囲まれ、あぁ、幸せな人生だった。そんな言葉を最期に遺すことなど、決して許されてはいけなかった。
父は母を傷つけ、また、私と妹も傷つけた。
その報いを受けるべきだった。
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