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「ああ、そうすることで両親に霊感が身に付いて、お前は霊体でも両親に存在を気付いてもらえるようになるからな」
俺がそう言うと、誠也はキラキラと目を輝かせる。
「凄い、凄いよ兄ちゃん! そうだ! 今の僕にはそれが出来るんだ!」
「だが、両親に霊感が身に付いちまうからな。正直こんなこと言おうか迷ったんだけどな……」
「そ、そうだよね……。じゃあオトンちゃんとオカンちゃんにこの事を言いに行こうよ」
「……ああ、そうだな」
俺は家を出て、八神さんの家に行き、さっきのことについて話し合った。
すると、彼らは意外にもあっさりと同意してくれたのだった。
霊感が身に付いてしまう恐怖よりも、息子に会える喜びの方が上回ったということか。
それに、俺に対する罪悪感もあったそうだ。
「うおおお!! 誠也ああああ!!」
「ああああ!! 誠也ああああ!!」
「オトンちゃーん! オカンちゃーん!」
誠也に乗り移ってもらって霊感を身に付けた両親は、誠也の姿を見て涙を流しながら傍に寄り添い、大喜びする。
そんな光景を見て、俺の目にじわりと涙が浮かんだ。
良かったな、誠也。
ここ、玄関だからこんなに騒いでると周りの住人が心配して来ねぇか不安だけどな。
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