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次の日、一時間目の社会の授業中に使い道を考えてみた。
新作のゲームを買うのが良いだろうか。
掃除当番を一週間休むとか?
授業が休みってのも捨てがたい。
小さな願いをいくつかノートに書き写していると、ふと先生が「流れ星」と呟いた。
ドキッとして顔を上げると、黒板に過去流れ星を使って行われた事件などが書かれていた。そうか、法がしかれる前はいろんなことがあったのか。
とりあえず俺のことを指したわけではなかったらしい。内心ほっとして板書にとりかかる。
「過去には流れ星を使った犯罪も多く起こりました。流れ星を使ったテロや、凶悪事件も起こりましたね。これにより各国は流れ星に関する法を整えようと議論を重ねました。」
変なことをするものだ。そんなの、流れ星にもう落ちてくるなって言ったら一発なのに。
あ、これが叶うなら俺が願ってみようか。有効活用ってやつではないだろうか。ふと考えたが、その考えはすぐ打ち消された。
「しかし、流れ星の力によって成されたプラスなこともあります。教科書の次のページを見てください。そこにあるように、流れ星の力によって災害の復興が早まったり、発展途上国への支援が成されたりしました。二年前の大地震の復興が早まったことは皆さんも知っていますね?」
なるほど、つまり良いことにも使ってるから落ちてくるなとは言えないのか。それなら俺もそれを叶えちゃいけないな。そもそもこれは願いの規模が大きすぎるか。
ふむ。と頷いて、ノートに書いた「流れ星を流れないようにする」の箇所を二重線で消す。さて、もう少し考えるか。
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