5人が本棚に入れています
本棚に追加
スカイは何をやっているのかわからず、その紙の文字を見ようとしたが、その前にホシに紙を隠される。
「待って!ダメ!」
「いや、何をしてるのか気になってだな……」
「本の真似。僕も、紙に願い事書いてみたんだ。笹っていうのが無いから、空に掲げてみたけど」
「どんな願いだ?」
「……それは恥ずかしいから内緒」
隠した紙に書かれた願い。
『これからもスカイと一緒に居られますように』
流石にバレるのが恥ずかしいと思ったのか、紙は鞄の中に突っ込んで無理矢理隠し通した。
その瞬間、力が一気に抜けホシの右腕がドサリと地面に落ちた。
「あっ……」
「ホシ、もう既に1日の稼働量を超えている。そろそろ腕が取れそうだと思ったから、俺は迎えに来たんだよ」
「ごめん、1度探すと夢中になっちゃって」
大きく溜め息吐いたスカイは、落ちたホシの腕を拾いあげて本人に返す。
「俺もお前も、いつエンジンが止まってもおかしくない状況なんだ。人にも過去にも興味が湧くのは分かるが、ある程度自己管理してくれよ」
ホシは自分の腕を持って、笑顔で頷いた。
今日もまた星が流れる。
半分に割れた月が空に浮かんだ、光が殆どないこの世界。
いつか止まるこの身体と共に、この世界で生き続けていく。
最初のコメントを投稿しよう!