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3058年7月7日
小さな箱から、耳障りな雑音が聞こえる。
それはかつて、テレビと呼ばれている物だった。
青年はその小さな箱を持ち上げて、興味深そうに隅々を見ていた。
空を見る。
満天の星空が、空には輝いていた。
その空の真ん中に鎮座する大きな物体は、かつて月と呼ばれていたもの。
過去の文献を漁ってみても、青年はこの月とかつての月が同一の物に見えなかった。
空に浮かぶ今の月は、半分無いのだ。
その月の周りを、流れ星が流れる。
まるで雨の様に、沢山の流れ星が空を彩っていた。
「あぁ、文献で見た」
青年は小さく呟く。
今はもう文字でしか残っていない、この地球の結末。
―――沢山の星が降った夜、半分の月も一緒に落ちてきた―――
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