星降る夜にあなたを

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 先週、ひどい喧嘩別れしたまま、音信不通だった彼女からメールが届いた。  こんばんはー! 今日も寒かったね。  れお君、突然だけど、今日 空いてる?  会社、今、仕事終わったんだけど  ランドマークの前辺りで待ち合わせして  これから会わない?  六時半過ぎには着くと思うから。  ショッピングとかもしたいし  荷物増えちゃったらマジごめんだけど。  急いで向かうから  首を洗って待っててくれると嬉しいな(笑)。   「首を洗って待っててって何だよ」  ったくもー、お気楽な文章だなぁ。   でも良かった、もう怒ってないようだ。 俺はすぐに「もちろんOK」と返事を返す。     そうだ、会ったらすぐに謝ろう。  見上げれば、冬の夜空に星が瞬き始めている。  俺はこのメールに隠されていた本当の意味に気付かぬまま、キンと冷えた冬の空気に身を縮こませながら、待ち合わせ場所へと足を向けた。  きっと今夜は、二人の上に沢山の星が降り注ぐ。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加