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「なんだその口のきき方は……!」
ほっぺたに親父の平手が飛んで、
その理不尽とも思える言動に、
「……親父なんて、大っ嫌いだ!」
と、腫れぼったい頬を押さえて叫んだ。
「……なん、だと?」
呻くように親父が声を絞り出して、たった今俺を叩いた手の平をぐぅっと拳に握り締めた。
「大嫌いだと言ったんだ! もう俺に構うなっ!」
捨て台詞を吐いて、二階にある自分の部屋へ駆け上がった。
追いかけてまた叩かれるかと布団を頭から被っていたが、階段を上がって来るような気配はついぞなく、親父の奴、臆病風にでも吹かれたのか…などと考えている内にいつしか寝入ってしまった──。
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