親父と呑む。

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──時は流れ、やがて俺も結婚をし子供を持つようになった。 一人娘のみさとは、小さい頃はとても可愛くて「パパ、大スキ」といつも俺にくっついてきて、「おっきくなったら、パパのおよめさんになる」だなんて口癖のように言っていた。 けれどそんな娘も思春期の頃になると、あからさまに父親の俺を避けるようになり、小さかった時分のようにくっついてくることなどは全くなくなってしまった。 その日、女子大生になったみさとは外へ出かけたきり夜の11時を回る頃になってもまだ帰らなかった──。 母親の方は「新歓コンパで遅くなるって電話もあったんだから大丈夫よ」と早々に寝てしまい、俺だけが一人寝付かれないまま娘の帰りをそわそわと落ち着かずに待っていた。 午前0時を過ぎる頃にようやくドアが開く音がして、俺は玄関に飛び出して行った。 「……な、なによ? 遅くなるからって、連絡したでしょう?」 きっと怒りを堪える余り鬼の形相にでもなっていたのだろう俺を見て、みさとが怯んだように口を開いた。 「……連絡をしていたって、遅すぎるだろう。どうしてもっと早くに……」 言い終わらない内にとっとと靴を脱いで行きかける娘の手をガッと捕まえた。 「話はまだ終わってないだろうが!」 思わず声を荒げると、 みさとは手を振りほどいて、「うるさい!」と、言い返した。 それから間髪を入れずに、「パパなんて、大っ嫌い!!」と、叫んだ──。
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