手をつなごう

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手をつなごう

 触れたいと手を伸ばした。  あと少しのところで指が震えた。  届いたその瞬間、ぶつかってしまった視線に思わず手を引っ込めてしまった。  弾かれるような痺れが指先に残る。  向かい合った僕たちはまるで鏡に映したかのように同じポーズをしている。  足元に並んでいた2つの影がゆっくりと繋がった。
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