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私達は人間の生き残りだ。
だから私達が産まれた時、私と彼と母親の三人しかこの世界に存在しなかった。
しかし私と彼にとってはそれが普通だった。
けれど、母親にとってはそうではなかったようだ。
母親はよく
「昔はね、本当にたくさんの人間達がいてね……」
と昔のことについて語っていた。
涙を流しながら。
そしてある日、ついに母親に限界が来てしまったらしい。
朝、私達が起きると
『天国へ行きます。今までありがとう』
と書いた置き手紙が一枚落ちていた。
その日私達は泣いた。
しかしいつまで泣くわけにもいかなかった。
私達は生きなければならない。
そして心の整理として、私達は産まれてから今まで過ごした家を離れることに決めた。
「親離れ、しなきゃね」
旅立つ日、彼は言ってたっけ。
新しい家で、私達はとにかくたくさんの本を読んだ。
他には特にすることがなかったから。
そして彼は隕石が降ると書かれたあの予言書を見つけて読んだのだろう。
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