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「なんでなんで?僕、こんなにユリスの事が好きなのに、」
「こら、いけません坊ちゃん。言葉遣いに気を付けてくださいね」
「……むう」
一族の跡取り息子ともあろうお方が、口を尖らせるんじゃありません。
「……そもそも、この手のお話は今まで全てお断りしてきたはずですよ。坊ちゃん、学習なさってください」
いや本当に。
何回目かしら、このプロポーズ。
「……俺がこの家継ぐことになるから、メイドとは身分の違いで結婚できないんだろ?……耳タコだよ、そんな話」
「なら、なぜ何回も繰り返すのです」
「だって……」
彼の瞳がすっと細まった。
「ユリスのことを、愛してるから」
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