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奥の座敷へと向かい、緊張しながら祖母と対面する。
生まれて初めての死体との対面。
何も思わなかった。
悲しいとも
つらいとも
何も感じなかった。
ただ、動かなくなってしまった祖母に対して怖いなという感情しかなかった。
毎年、夏休みには祖母宅には来ていた。
けれど、私にとってのお婆ちゃんは、比較的近くに住んでいた母方の祖母であり、父方の祖母は何て言うか…他人に近かった。
父の実家は旧家で、祖父はその昔、電気関係の仕事をしており、この山奥の村に初めて電気を引いたらしい。
村が美しくなるようにと百本の桜も植えた。
その村では伝説の人だった。
ただ、残念な事に父が幼少の頃に他界している。
父の実家の中庭で父がまだ幼かった頃に写真屋を呼び撮った家族写真で私は祖父の顔を知った。
大層、写真好きだったらしく、写真を撮ることが好きな私はそんな祖父の血を一番多く受け継いでいるのかもしれない
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