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今、思い返しても、後にも先にも父の泣く姿を見たのはあの時だけだ。
両手をついて
泣いていた
大きめの体の父が
背中を丸め小さくなって
泣いていた
だから、そんな父の事を茶化したり決して出来なかった。
この時
何となく
思った
人が死ぬのって
怖いじゃなくて
寂しいんだなって
もう二度と祖母と
話せなかったり
会えなかったり
しゅうゆ豆を
食べれなかったり…
そういう事が
とてつもなく
寂しくて
悲しいんだなって
小6なりに感じた
それくらい
父の悲しみは
深かった
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