3人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ねぇクッチー。最近、キレイになった?」
「え!?」
近くにあった廃家で、いつものようにテケテケちゃんと花子ちゃんと三人で女子会をしていた日だった。
マスクを外した私を、テケテケちゃんがなにやらジーーと見てくるなと思っていたら、唐突にそんな事を言いだしてきたのだ。
「え!?え!?私……綺麗に、なってる?」
「うん!!なってるよ!!前からクッチーは美人だったけど、なんかより一層美人になってるというか……なんか、肌綺麗!!」
「あ、ありがとう」
ずっと頑張ってきたからこそ、これだけ褒められるのは凄く嬉しい。この一か月間の努力は無駄じゃなかったんだ。
「あれだねぇ~~。恋は幽霊も変えちゃんうんだねぇ~~」
「はい!?」
「えぇ!!クッチー好きな人いるの!?教えて教えて!!」
花子ちゃんの言葉に大興奮したテケテケちゃんが、両腕を使って私に迫り寄ってくる。
そういえば、テケテケちゃんって大の恋バナ好きだったけ……。
「ちょ!?花子ちゃん変な事言わないで!!恋なんかじゃないわよ!!あんな男、誰が好きになるもんですか!!」
「ねぇクッチー知ってるぅ~~?そういうのって、ツンデレって言うんだよぉ?」
「ちがーーう!!」
「ねぇねぇどんな人どんな人?かっこいい?どこで知り合ったの?どこまでいったの?」
「あぁもう!!テケテケちゃん落ち着いて!!」
別にあんな男好きでもなんでもないけど……。今の私を見たら、きっとあの男も「綺麗」だと言ってくれるはず。
「クッチー」
「ん?」
「がんばっ」
「っ!……うん。有難う花子ちゃん」
次の日の夜。
私は、あの男が現れるのを待った。
最初のコメントを投稿しよう!