4 星をたべる

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4 星をたべる

この日。ホテルに向かう車中で、陽介は瑠奈に計画を話していた。 「まずホテルやキャンプ場、駐車場の確保だな」 「はい」 「他には町おこしの目玉なんだよな」 「それは、お土産とグルメとかかな?……うーん」 彼を上司と見て真剣に考える瑠奈に、運転中の陽介は頭をかきながら話し出した。 「ところでさ。お前って。中学の奴らと会う事ないの?」 「……はい。仕事の時間も合わないし」 「そのさ。二人でいる時は、敬語はやめてくれよ」 ふてくされる彼に、瑠奈は、うんとうなづいた。 「わかりました」 「なってねーし?」 「フフッフ。ごめんね」 笑う彼女を彼はほっとした顔で見つめていた。こんな二人は観光ホテルを巡り話をして回った。 どこも話に賛成で、二人は手応えを持って勧めていた。こうして計画は着実に進んでいった。 そして観光の目玉でグルメを考えようとなった際、陽介はある人を瑠奈に紹介した。 「お前、葉子を覚えてるか?あいつは今結婚してお菓子屋さんにいるんだよ」 「一緒に図書委員した葉子ちゃん?懐かしいな」 陽介は葉子の嫁ぎ先にお菓子の相談をしようと、二人でやってきた。 「あら?瑠奈なの?背が私よりも大きいの?」 「おい。卒業してから伸びたに決まってるだろう」 「ふふふ。葉子ちゃん、ご結婚おめでとう」
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