4 星をたべる

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久しぶりの対面であったが、早速お菓子の話になった。話を聞いていた葉子はお姑さんと星のお菓子を提案してきた。 「まず、これは『星のどら焼き』ね?お義母さん」 「そう。星の焼印を押してあるだけなんだけどさ、中はこうだよ」 これには天の川をイメージし、ミルククリームが入っているとの説明だった。 「でもね。味にパンチがないんだよ……」 「そうですか?味は、瑠奈?」 「美味しいです。皮ももっちりしていて、焼印も可愛いですね」 瑠奈の食べる様子に葉子は次を出してきた。 「これは『星型のモナカ』中身はただのあんこだよ」 「見た目は可愛いな。どうだ?瑠奈」 「そうですね。これって色は何色か作れますか?」 「色?色かい?」 意外な顔の葉子義母は、着色料でピンクと黄色とか紫ならできると言った。 「最後はこれ!『星のソフトクリーム』、まず食べて」 「どうぞ。さあ、どうぞ!兄さんも!」 義母がにこやかに勧めるので陽介が先に口にした。 「味は悪くないですが、ザリザリする?柔らかいアイスの中に硬い金平糖って」 「そうですね。食感が良くないです」 「なんだって?」 これには葉子義母が説明した。 「爽やかな夏空のイメージでラムネソーダ味。そして星を表す金平糖がインスタ映え。これのどこがダメなのよ」 「お義母さん!興奮しないで?」 「インスタ映え、か……どうだ?瑠奈」 「うーん。確かに」 こんな瑠奈は、陽介にアイスのカップを持たせてみた。彼女はじっと彼を見つめた。 「そうですね。このアイスに、星形のホワイトチョコとか、大きなものを刺したほうがインスタ映えしますね」 「チョコか。どう?お義母さん」 「……薄くていいんだろう。よし、やってみようか」 こうして二人は、今度はキャンプ場にやってきた。 「ここは拓也の実家なんだ。お!拓也」 「うっす。って、瑠奈かよ。めっちゃ美人じゃん?」 「お久しぶりです、拓也君。可愛い犬〜」 中学の同級生の拓也はサラリーマンであったが、週末は実家のキャンプ場を手伝っており、今回のイベントも協力すると言ってくれた。 「俺のところにはもう問い合わせ来てるぞ」 「そうか。あのな、瑠奈。ここにも星にちなんだ物を仕掛けたいんだ」 「そうね。広いしね」 瑠奈はそばにあったブランコを見て、星のオブジェはどうかと言った。 「どんなの?」 「ロープを星の形に張るのはどうかな?その中から、星の写真を撮ったら面白そうだし」 「よくわかんねえな」 頭を傾げる陽介であったが、拓也はうなづいていた。 「俺はわかるよ。瑠奈が言ってるのはこういうのだろ?」 「そうそう!他にも考えるね」 「あのさ?今度一緒に」 「おっと?俺に言ってくれ。さあ、瑠奈行くぞ」 この後も星のイベントの協力は二人の同級生が主であった。 「しかし。まさかあいつが先生と結婚するとはな?」 「うん。私、まだドキドキしてる」 警備会社の帰り道の車の中、二人は驚きの事件に思わず車を停めて休憩していた。 「あのさ。瑠奈ってその、恋人とかいるのか」 「いないよ?仕事と家の往復だもの」 「そか!うん、そうだよな」 彼の事を聞こうとした時、彼のスマホが鳴った。彼は慌てて車から降り、話をしていた。話の様子から女の人と話をしていた。 ……彼女さんかな?いつも話をしてるし。
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