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第5章:赤い聖剣『フォルティス』
主人はその言葉に、逆にぽかんと口を開けて、それから得心がいった様子で、少しだけほっとした溜息を洩らした。
「あ、ああ、あんたがたはあの騎士達とは違うんですかい」
「この村には、一分隊がいるはずだ。何が起きているんだ」
ミサクが水を向けると、主人の顔が再びこわばる。話して良いものかどうか、迷っているようだ。それを察して、ミサクは言葉を重ねた。
「大丈夫だ、我々は彼らとは行動を別にしている。唯一王の名にかけて保証しよう」
真摯な態度を取る騎士にそう言われて、主人の警戒も大分薄れたようだ。「実は」と声を低める。
「最初は、王都から来た騎士様だからって、皆歓迎したんですよ。これで魔物を追っ払ってくださるって。ところが、それがとんでもなかった」
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