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第5章:赤い聖剣『フォルティス』
「あれ、ミサクじゃねえか。特務騎士の」
「イリオスと魔法士のコキトもいるぞ」
「て事はまさか、あの金髪、エルストリオの」
囁き交わし、途端に一同の顔が青くなる。自分達のこの村での言動について、特務騎士隊長に余すところ無く伝わった事を察したに違いない。
「君達の事は主人から聞いた」
ミサクが相変わらずの淡々とした態度で、騎士達に近づいてゆく。
「唯一王の名誉を汚す行為を働いた者達を、許す訳にはいかない。王都に帰して、陛下からしかるべき罰を下していただく」
静かだが有無を言わさぬ迫力に、不逞騎士達は一瞬怯んで後ずさる。しかし、王都に送還されれば厳罰が待っているだろう未来を思う気持ちが、彼らを自棄にさせたのかも知れない。
「やっ、やれるもんならやってみろってんだ、剣も使えねえガキが!」
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