第5章:赤い聖剣『フォルティス』

1/1
前へ
/238ページ
次へ

第5章:赤い聖剣『フォルティス』

「あれ、ミサクじゃねえか。特務騎士の」 「イリオスと魔法士のコキトもいるぞ」 「て事はまさか、あの金髪、エルストリオの」  囁き交わし、途端に一同の顔が青くなる。自分達のこの村での言動について、特務騎士隊長に余すところ無く伝わった事を察したに違いない。 「君達の事は主人から聞いた」  ミサクが相変わらずの淡々とした態度で、騎士達に近づいてゆく。 「唯一王の名誉を汚す行為を働いた者達を、許す訳にはいかない。王都に帰して、陛下からしかるべき罰を下していただく」  静かだが有無を言わさぬ迫力に、不逞騎士達は一瞬怯んで後ずさる。しかし、王都に送還されれば厳罰が待っているだろう未来を思う気持ちが、彼らを自棄にさせたのかも知れない。 「やっ、やれるもんならやってみろってんだ、剣も使えねえガキが!」
/238ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加