第6章:夢惑の森に銃声は響かない

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第6章:夢惑の森に銃声は響かない

 セレスタの粗暴騎士達については、村人達とシズナ一行の証言を得た告発状をミサクがしたため、村人の中に混じっていた特務騎士の一人に託して、騎士達ごと引き立てていった。 「特務騎士は、一般人に溶け込んで任務に就く者が多い。僕のように顔が割れている人間の方が少ない」  ミサクが何という事でもないかのように、しれっと言い放ちながら、部下に告発状を渡していたのを、シズナは最早言葉を失って見ているしか出来なかった。 「魔族の手先が!」 「魔物を倒して味方の振りして」 「魔王と手を組んだ魔女だ!」 「死んじまえよ、悪魔!」  後ろ手に縛られて護送の馬車に乗り込まされる時、不逞騎士達は口々にシズナを罵った。そのあまりの口汚さにシズナが閉口していると、「シズナ」とミサクが囁きながらこちらの腕を引いてその場から離れ、二人きりで村はずれに行く羽目になった。  他に人のいない場所で、それでもミサクはこの話を切り出して良いものかどうか迷っているようだったが、やがて決断すると、 「貴女には辛いだろうが、知らせておかなくてはいけない事がある」  と向き直り、口を開いた。
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