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第7章:きっと誰もが嘘を吐く
小屋の中は一部屋しか無く、シズナ達四人が入ると、狭苦しくすら感じてしまう。暖炉に火が点いて鍋が乗せられ、野菜スープがことこと煮えていた。
エルヴェは「適当に座れ」と、椅子が二つしか無いテーブルを指差す。家主を立ちっぱなしにさせるのは忍びないので、他の三人が自然にシズナに席を譲って、彼女が腰掛けると、それぞれ距離を取って背後に立った。
それを見届けたエルヴェが、薬缶で沸かしていた湯で生姜汁を割ってばらばらの形をした湯飲み五つに注ぐと、テーブルの上へ適当に置いて、自らどかりと椅子に座り込み、
「とうとう来ちまったのかよ」
と深々と溜息をついた。
そんなエルヴェに、ミサクは淡々とこれまでの道程を語り、
「このままでは魔王の居城に辿り着く事が出来ない。貴方の助言が必要だ」
そう言い切った後で、青い瞳を細めて、相手を呼んだ。
「エルヴェ、いや、真の勇者エルヴェリウス」
と。
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