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第1章:血染めの祝福
シズナとアルダの結婚式が行われたのは、その夜から三日後の事だった。エルシとイーリエに乞われて、村人達が二人を驚かせようと一丸になって、秘密裏に準備を進めていたのだ。
山を降りた外界では、花嫁になる女性は、純白の布をたっぷり使ったドレスに身を包み、花婿も白いタキシードをまとって、世界を創りたもうた神の御前で愛の誓いを立てるという。だが、皆が用意してくれたシズナとアルダの衣装は、村の女衆が織った、同じ柄が二つと存在しない布でこしらえた、白を基調とした複雑な模様の貫頭衣。それを赤い帯で留め、シズナには紫苑のブーケが持たされた。
愛の誓いの儀式は村の広場で、若い頃外界でシスターをしていたというリコ婆が、少々拙い祝詞を述べて、エルシがこの日の為に用意していた揃いの銀の指輪を互いの左薬指にはめた。
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