第8章:仮面の下に秘められた

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第8章:仮面の下に秘められた

 ならば、たとえ背後から武器を突きつけられているとしても、ミサクとコキトに最後まで頼った方が良い。次に裏切られたら、共倒れを覚悟してでも彼らを討ってみせる。その後の事は、いざという時に考えれば良い。それが、シズナが山を降りている間に至った結論であった。  とにかく今は手詰まり状態で、保存食も旅に必要な物資も足りなくなってきた。 「とりあえず、街で買い物をして、態勢を立て直そう。物理的に余裕が無ければ、精神的にも余裕が無くなる」  ミサクのその一声で、一行は街道を西へ行き、カナルトの街へと辿り着いた。  カナルトはアナスタシアの中でも大きな街で、国の東側と西側を繋ぐ要所として栄えている。東西両方から人も物も流れ込み、商業も発達しているので、必要な品を見つけ出すのは容易かった。
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