第8章:仮面の下に秘められた

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第8章:仮面の下に秘められた

 ゆるゆると首を横に振り、顔を上げたアルダは、今にも泣き出しそうな、置き去りにされた子供のように頼り無い表情をしていた。 「君の為になるのなら、俺は君の為に、君の手で」  そこまで言った所で、アルダは弾かれたように横を向き、咄嗟に右手を掲げた。魔律晶を用いる事も無く青い光が彼の手から放たれ、『障壁律』が生み出されて、かきん、と高い音を立てて何かを受け止める。  銃弾だとわかったのは、丘をのぼってきた新たな人影が、油断無くアルダに照準を合わせていたからだった。 「死にたがりの魔王のくせに、シズナ以外の他人に討たれる事は望まないのか」  ミサクだった。調整を終えたのだろう銃を構え、青の瞳に敵意を存分に込めて、アルダを睨みつけている。 「シズナから離れろ、魔王アルゼスト。次は『障壁律』を使うより先に、その額を撃ち抜く」 「その前に俺の魔法がお前の首を飛ばす方が速いさ、特務騎士」  青と紫の視線がぶつかり合い、一触即発の空気が流れる。
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