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第3章:好奇と敵意と親愛と
シズナとミサク、二人の足音が長い廊下に響き渡る。
「すごいな、貴女は」
ミサクの心底からの感銘を込めた声が耳に届いて、シズナは彼の方を向き、「そう?」と小首を傾げた。
模擬試合の開始数秒。シズナはイリオスが余裕綽々で突き出した得物を叩き落とし、その首元に剣を突きつけていた。これが真剣だったら、後は力を込めるだけで騎士の首は地に落ちていただろう。
『何でも言う事を聞くって言ったわね』
イリオスの首に剣をあてがったまま、シズナは碧眼で相手をぎんと睨みつけた。
『二度とそんな下品な口を叩かないでちょうだい』
完全にシズナを侮っていたイリオスは目を見開いて絶句し、興味本位で観戦していた周りの人間も言葉を失って、訓練場は異様な沈黙に陥った。そんな連中を置き去りにして、シズナはミサクと共にその場を立ち去ったのだった。
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