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第1章:血染めの祝福
ぼんやり空を見上げ続けていたシズナの耳に、アルダの声が心地良く滑り込んでくる。
「俺達、約束したじゃないか。いつかこの村を出て、大きな街で店を開いて暮らそうって」
そうして、ぐいと肩を抱き寄せられるまま、シズナはアルダの腕に包まれ、二人揃って金色の草の褥に倒れ込んでいた。
「俺は、シズナと一緒に外の世界で幸せになりたい」
あおむけになったシズナに覆いかぶさるように、アルダが顔を寄せて囁く。見つめる紫の瞳には本気が宿り、言葉に一片の嘘も無い事がうかがえる。普段茫洋とした幼馴染のこういう強気な一面を見る度に、シズナの頬は火照り、胸は高鳴るのだ。
アルダの顔が更に近づき、前髪が額をくすぐる。
今度は、素直に。少女は少年の情熱的な口づけを受け入れた。
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