第2話

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洗濯された貴文の洋服を干して、本当に今日はなんて日だったんだと改めて思う。 イタリアンで今日のサプライズは全部終わったと思ったのに……。 まさか貴文と同じ布団で寝る羽目になるとは。 「もう、疲れたな………」 静流は欠伸をすると布団を捲って貴文の隣に体を滑り込ませた。 誰かと一つの布団で寝るなんて初めてだな。 寝れるかな……。 そんな心配は全く無用で、横になると疲れていた静流はあっという間に眠りに落ちていった。 久しぶりにゆっくり眠れたな……。 貴文はゆっくりと目を開けた。 見慣れぬ天井。 ここはどこだ? 気配を感じてはっと隣を見ると、向こうを向いてショートカットの誰かが眠っている。 自分を確認すると下着は履いているものの裸だということに気が付いた。 昨夜の記憶が無い。 確か合コンに参加して……酔い潰そうとしてくる女子に随分飲まされて……。 持ち帰られそうになったのを逃げた筈だが……逃げきれなかったのか? 俺が裸で一つの布団で寝ているということは………。 「マジかよ……。やっちまったのか…」 誰とも分からない相手と記憶もないままに体を重ねてしまったのかと思うと、とんでもないことをしてしまったと貴文は頭を抱えた。 とりあえず……相手は誰だ? 名前を知ってる子なら助かるが……。 名前も知らない子と寝たなんて嫌だな……。
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