第3話

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「そっか……俺は変わってて、普通か」 「ああ。顔はいいけど中身は普通に変な奴だ」 静流はそう言うとにこっと笑った。 貴文が整った顔のせいで、自分同様のコンプレックスを抱えていたと知って、静流には貴 文が身近に感じられるようになっていた。 「さ、こんなとこで話してるとじろじろ見られるから行こう」 「あ、そうだよな…」 貴文は静流と並んで歩いて、自分の中に芽生えた気持ちに戸惑っていた。 俺……静流のことが好きかもしれない。 静流は俺の外見を気にしない。 静流自身が自分の外見を嫌っているので、俺のことも分かってくれている。 率直にものを言って嘘をつかない。 そして……笑顔が可愛い。 「参ったな………」 静流は男なのに。 それに友達だ。 好きになんかなったら駄目だ。 「静流、今日は俺の家のトラブルに付き合ってくれたお礼に夕飯奢るよ」 「そんなの別にいいよ。バイト代だって貰ったんだから貴文が気にすることない」 あっさりと断られて貴文はガッカリしてしまった。しかし、次の静流の一言で沈んだ気持ちはすぐに浮上する。 「奢りとかじゃなくて普通に一緒にご飯食べないか?何か材料買って僕が作るから」 「本当に?いいの?」 「ああ。あ、でも材料費は折半な」 また静流の料理が食べられると思って、貴文は元気よく頷いた。
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