第1話

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第1話

どんなに落ち込んでいても辛くても、夜が明けたら朝が来る。 人生は思い描いた通りにはいかないものだ。 「大学……行きたくないな…」 今日は大学をサボってしまおうかと何度も考え、その度に高い学費を払ってくれている親の顔を思い出しては、僕はサボる選択肢を消していく。 子供の頃から真面目に生きてきて、理由もなく学校を休んだことなんてない。 今日だって………行きたくないのにこうして出掛ける支度をしている。 服を着替えてクローゼットの横にある鏡で全身を確認する。 鏡には少しキツそうな顔をしたスタイリッシュな都会の男が映っている。 この見た目のせいで……。 僕は大きなため息をついてから、重い足取りでアパートを出た。 「ねぇ……あの人、格好良くない?」 「モデルかなぁ。でも性格キツそうじゃない?」 電車に乗っていると、女子高生が僕を見てキャッキャと話しているのが聞こえる。 チラリとそちらを見ると「睨まれちゃった!でも凄い綺麗な顔~」などと、好き勝手なことを言っている。 僕は睨んだつもりなんかないのに。 目付きがキツイせいで、いつも誤解をされてしまう。 同じ車両に乗っている女性達がチラチラと僕を見ているのが分かる。 僕にはそれがすごく辛い。
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