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テンさんが、海の底へのぼっていく。 月明かりに照らされた海。深海の底。満天の空。星、星、星。 泥の体で水をかき分ける。手を伸ばそうとする。星は捕まえられるのに、テンさんの手はつかめない。
帳
(
とばり
)
が降りて来た。雲が月明かりを隠して、端から順番に、ページをめくるように海の星々が消えていく。 テンさんが見えなくなる。 視界が閉じた。何も見えない。真っ暗だ。 苦しい──。
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