サブティリオリサス・ヒョウゴエンシス

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朝が来た。 ガチャガチャ、と音がして、扉が開いた。 バケツとモップを持った掃除のおばちゃんが床を見回し、目敏くヒョウゴを見つけた。 「またトカゲや。よう入ってくるで。ゴキブリホイホイにトカゲもかからんかいな」 掃除のおばちゃんは、ヒョウゴの尻尾をつまむと、窓からぽいっと放り投げた。ヒョウゴは2回宙返りしたあと、草の上に着地した。 ヒョウゴは肺いっぱいに青い空気を吸い込んだ。 ――僕の世界だ! 草叢へ、ヒョウゴは駆けだした。
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