7人が本棚に入れています
本棚に追加
しつこくきみを追いかけていたら、思いっきり殴られた。
かなりいいところにヒットしたようで、目の前に星が飛ぶ。
この星、凄い綺麗だな……って、放心してる場合じゃない。
追いかけなければ、逃げられてしまう。
きっときみはあそこを通るはず。
あそこを通って、そちらに行けば、ぼくが行けないことを分かってるから。
だから行かせるわけにはいかない。
必死になって追いかける。そしてもう少しで届く、と思うとまた殴られる。
そのパンチは凄まじい威力で、毎回星が飛ぶ。
……もしかすると彼女、なにか格闘技でもしてたのかもしれない。
足も早いし、身のこなしも軽い。
ぼくの好きになった相手は、一筋縄じゃいかないようだ。
━━━あぁっ!悠長にそんなことを思っていたら、あそこに行く道を走ってる!真っ暗なのに、なんであんなに迷いもなく走れるんだ!まるで全てが見えているようだ。こんな暗闇なのに!
このままじゃまたぼくの手の届かないところへ行ってしまう!
くそっ!なんでなんだ!
こんなにぼくが思ってるのに、なのに、なのに…!!
最初のコメントを投稿しよう!