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「ワンワンワンワンッ!!!!」
「うるさい!ポン吉!そうやっていつもミィコを追いかけるから嫌がって逃げられるんだろうが!!」
「クゥーン……」
ぼくの飼い主である沼田さん(四十二歳・男)が廊下にやって来て、灯りをつける。
飼い主は他に奥さん(四十歳・かかあ天下)とその手下のような娘(小学生×二人)がいるので、沼田さんはいつもしいたげられてる。
ぼくのなかのヒエラルキーも一番下だけど、一応飼い主だから敬ってはいる。ぼくって、偉いよね。
ああ、逸れてしまった。話を戻そう。
灯りがともった階段を見上げると、ぼくの意中の相手…白猫のミィコちゃんがいる。
チャームポイントの手足のブチがなんとも艶かしい。
ぼくは階段を上れない。
だからきみが階段を通ってしまえば、ぼくはきみと触れ合えなくなる……。
「お前はミィコの尻追っかけて!何回猫パンチされてんだ!」
ああ、あのパンチは凄かったよ。
星が咲いたもん。
「ワンワンワン!(ミィコちゃん!初めてのパンチ、クリーンヒットだったよ!最高だよ!)」
「ポン吉!いい加減にしろ!」
「クゥーン…」
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