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階段の上には相変わらず美しい白い毛をフワフワとさせて、冷たい目で見下ろすミィコちゃん。
その蔑んだような視線…ゾクッとするよ、堪らない…。
ああ、きみとぼくとの間には、この階段が邪魔してる…
さしずめ天の川に阻まれた織姫と彦星ってところだよね。
そしたら、二階はぼくにとって宇宙だ。
きっと未知の世界が広がってるんだ。
この階段を越えて、二階へと………。
いつか、行ってみたい…、そしてそこできみに会いたい。
でもそれは今日じゃない。確か織姫と彦星は会える日が決まっていたはず。
その日に向けて、サークルに戻って作戦の練り直しだ。
どうやったらきみに近づいて、そして二階へと行けるか……。
一階にはテレビというものがあるから、ぼくは知識が豊富なんだ。
今日もなにか得られるかもしれない。
奥さんと娘たちが、ドラマというやつを見てキャーキャー言っている。しっかり見て、勉強しよう。
…………あ、そういえば重要なことを思い出した。今日、大きな収穫があったんだ。
やっぱり肉球、ピンクだったな…………ふっ、ふふふっ……。
完
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