2人が本棚に入れています
本棚に追加
娘さんの行きつけのケーキ屋さんで知り合ったと言う。
「お父さんが好きな辛めのブランデーケーキが、この人も好きなのよ」
紹介された時点から文句のつけ所が見つからなかったが、この一言で、先輩は苦笑するしかなくなってしまったという。
「可愛い娘を奪っていくかもしれん男だ。
本当はケチの一つもつけたかったんだがな」
休憩時間に先輩は笑いながら、でも少し寂しそうに話していたそうだ。
「女の人が、自分の父親に似た人を選ぶって話はよく聞くけど、うちはどうなのかなって」
なるほどなと、私は実家の父親を思い浮かべる。
父親は絵に書いたような亭主関白だ。
父親の言うことは絶対。
最初のコメントを投稿しよう!