流星の子

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流星の子

 四年後、ステラは宇宙船へ帰ってきたプレアデスを見つけ、「おかえり」と声をかけた。  プレアデスはステラを見た途端、固まっていたが、「た、ただいま」と、ぎこちなく返した。 「どうだった?」 「君の言う通り、有意義な四年間を過ごすことができたよ。テルスも、テルスのおじいさんも、色んなことを教えてくれた。森のこと、動物のこと、人間のこと……僕ら、初めて会った時よりもずっと仲良くなったんだ。別れるのが惜しかったよ」 「それは良かった」  ステラはプレアデスの頬へ手を伸ばし、触れた。  プレアデスの体を覆っていたホログラムの像がぶれ、ステラが待ち焦がれていた少年の姿が一瞬見えた。 「こんなに早く会えるとは思わなかったよ、テルス」 「……僕もさ、ステラ」  プレアデスのホログラムをまとっているテルスは涙を浮かべ、親友との再会を喜んだ。 「よく僕だって分かったね」 「すぐに分かったよ。プレアデスはもっと他人行儀な話し方をするから」 「そうだったっけ? 今じゃ、僕と変わらないよ。じいちゃんに"お前はもうウチの子なんだから、楽に話しなさい"って言われてから、話し方を変えたんだ。あいつ、じいちゃんにベッタリでさ、僕がこうして入れ替われたのも、プレアデスが"じいちゃんと離れたくないから"って僕に頼んできたからなんだ。僕も安心してじいちゃんを任せられる人ができて良かったよ」  その時、廊下の先から数人の少年達が歩いてきた。ステラの同期だ。  ステラは彼らを見つけると、テルスの手を引き、彼らのもとへ走った。 「君を紹介しなくちゃ。彼らにもプレアデスのデータを改竄する手伝いをしてもらうんだ」 「ほ、本当に信用できる連中なんだろうね?」 「もちろん。アルタイルもデネブもベガもアンタレスも、君と"同郷"だからね」  テルスはその言葉が何を意味しているのか気づき、複雑そうに笑みを浮かべた。 「あの時プレアデスが言ってた四人、結局地球に残ったのか」 「みんな良い人だよ。テルスもすぐに仲良くなるさ」 「それは楽しみだな」  テルスは新たな友人達との出会いに、胸が高鳴った。  窓の外では、地球が青く煌々と輝いていた。
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