止まぬ雨に

ーーーーーーーー止まぬ雨は、これで１週間目である。

　長く、止まる事の無い雨に皆一様に偽物の空を眺める。

　これまでこんな事はなかった。むしろ雨自体降る事も無かった世界で人々は不安を憶えながら未だ生活をしている最中であった。

「流石にもう駄目かな。居住エリアの人口を考えても此処の作物じゃ」

　長雨による災害。作物は腐り大きく育つ事も無く流れてしまった。

　収穫寸前だった作物の残骸を握りしめ、男はあたりでまだ大丈夫そうな野菜を探し、少しでも次の植え付けの為に、何とか生き返りそうなものを探し続けていた。

「駄目だ、こうなったら保存していた種を使うしかないか」

　手当たり次第探しまわたが、水に浸かってしまった事で根は腐り種にもカビが生えていた。