止まぬ雨に

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 その時だった。今日もあの情報が流れてきた。空に映し出された半透明の巨大モニターは、この雨の原因を一週間前から定期的に流し続けていた。 ”現在のステーションの復旧作業率66%。完全復旧まで約四日”  少しづつではあるが確実に復旧は進んでいる。その情報が流れた後、今一番このステーションの住民全員が気になっているであろう情報が流れだした。 ”デブリによるステーション気象故障事故は、現在日本のデブリ回収業者によりデブリ除去作業は完了。デブリから発生したデブリの回収も完了済みです。現在、事故の原因のデブリが何処の国の物か解析作業中” 「循環系のプラントの故障じゃ無ければ良いんだが。いや、これだけ掛かってるなら無い筈は無いか」  一週間前。このステーションと呼ばれる宇宙居住区で事故が起こった。それはこのステーションの気象情報を混乱させ一週間の雨の原因となった。  居住区の人間たちは今もただの雨だと疑うことなく平穏に暮らしている。しかし、その平和を居住区以外の者達の存在が維持管理しているのがこの世界の実態であった。 「流石の炭素コーテイングでも、この長雨ではもう持たないか」
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