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少しの沈黙の後に俊樹は口を開いた。
今は大好きだった綺麗な星空も
近付く隕石の光で見えなくなってしまっている。
今となっては楽しい話題なんて見つからない。
「そっか…俊樹くんとももうお別れだね…」
寂しそうに俯く乃愛。
「あんな隕石無くなればいいのに…」
俊樹も俯きながらボソッと呟いた。
沈黙が二人を包み込む。
「私そろそろ戻るね…」
重たい空気に耐えかねたのか乃愛は立ち上がり
歩きだした。
「おう、温かくして寝ろよ、おやすみ」
俊樹は乃愛を振り返ることなく返事した。
「……俊樹くんも……元気でね…
私が隕石を消してあげる…」
聞き間違いだろうか。乃愛が言ったことを聞き返そうと慌てて振り返る。
「それってどういう──」
そこにはもう乃愛の姿はなかった。
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