希少な空

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奇跡の隕石の大爆発から10年後…。 俊樹は途中で仕事を抜け病院に急いでいた。 「佳澄(かすみ)!産まれたか!?」 勢いよく病室のドアを開けて飛び込む。 ベッドには出産を終えて安心した顔の妻がいる。 「うん、無事に産まれたよ、元気な女の子」 まさか自分が結婚して子供まで持てるなんて… 本来なら10年前のあの日死んでたのに… 隕石が消えてくれて本当に良かった。 「そうだ!名前、名前を考えたんだ!」 「あら、どんな名前?」 「希少な空って書いて希空(のあ)って 言うのはどう?」 その名前の響きにどこか懐かしさを感じた。 そんな名前の人は知らないはずなのに。 俊樹の目から、流れ星のように一筋の涙が頬を伝った。
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