この星の降る夜

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 採掘の為のミサイル攻撃は、なんの前触れも無く始まった。  近隣惑星の人々は、この星の住人達を自分達の惑星に移住させる手間と保証を惜しみ、星ごと滅ぼす事を決する。反対する惑星は無かった。  攻撃が始まり、この星の人々は他の惑星へ避難することも許されず、地下に作ったシェルターへ逃げ伸びる。やがて、その地下にまでミサイルが到達し、シェルターを破壊し始めた時、人々には掻き集めた僅かな資材から、報復用のシステムを作り上げる時間と労力以外、何も残されてはいなかった。  生き延びることは既に諦め、断末魔の様な装置を設置し終えると、この星の人々は死に絶えた。戦う者が居なくなると、この星は戦場ではなく、ただの採掘場に成り果てる。攻撃が始まり18年、今から11年前の事出来事だ。
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