この星の降る夜

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 集積機械がシェルターの残骸や生活の名残を避け、今日も集積に勤しむ昼の地域の反対側。夜の地域で、眠っていた報復の為のシステムが動き出す。  降り注ぐミサイルは、かつてシェルターが作られた場所よりも更に下へと掘り進む。爆発の振動がある深さに到達した時、地中深く隠されていた水素爆弾の、起爆スイッチが作動した。  水素爆弾は星の中心核を破壊し、内部からこの星の命とも言える熱量を宇宙(そと)へ解き放つ。  綿密に計算され砕かれた星の欠片は、取り付けられた誘導機器に(いざな)われ、近隣惑星達の夜側へと飛来した。  まるで自分達に降り注いだ惑星感弾道ミサイルの様に、この星の欠片は光の針となり、近隣惑星達へ怒りと怨念を突き刺して行く。  僅かな時間で近隣惑星達はその姿、地形を変え、住まう人々は逃げ場もなく絶えた。  攻撃していた近隣惑星達は、例外なく無人の星へと化したのだ。
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