一話

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また数日が経った。 辺りは騒がしくいつもの静けさはなかった。 私たちはじっと牢の隅で大人しくして居るしかなかった。 二人で身体を寄せ合い静かになるのを待った。 ここにはお偉い様方も来るらしくきっとそれで起こった暴動だと考えた。 だけどそれは違っていたらしく出入口の方から足音が聞こえ始めた。 『大丈夫、大丈夫だよ』 自分に言い聞かせつつ女の子にそう言った。 出入口の方から次々と鍵の開く音がした。 気になり勇気を出してそっと見える限りで廊下を見た。 近くまで来ていた足跡は止まり話し声が聞こえ始めた。 女の子にどうしたの?と聞かれたが人差し指でしーっと静かにするように促した。 こくこくと頷くのを見て耳をすませた。
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