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外に出ると攘夷の人であろう人たちが居た。
中には刀を持たない人が居てきっと私たちと同じ人なのだと解釈した。
『あの…』
「どうされたか?ってあぁ、貴方は捕まってた人か」
こくりと頷くとその人は家の場所は分かるかと聞いてきた。
『いえ…私は売られてここに来たので』
何も思わずに冷めた声で言った。
「そうだったか…そっちの子は?」
「わかるよ…おうちにかえしてくれるの?」
「もちろんだ」
目線を合わせて言うこの人は相当子供が好きなのだろう。
優しく撫でる手はより一層そう感じさせた。
「あ、桂さん!」
「おぉ、怪我はないか?」
緋色の髪の人と話していた人が先にでてきた。
『あの…さっきの緋色の髪の人は……』
「あいつならまだ中だ」
「お嬢ちゃん。あいつに惚れでもしたか?」
ニヤニヤと聞いてきた人を無視して桂さんと呼ばれる人に言った。
『お礼をしたいのです。それに行く場所もありませんし…宜しければ女中として雇っては貰えませんか?』
「俺たちは攘夷だ。新時代のために人を切ることも惜しまない」
『幕府を違っているとは言いません。だけど……だけど新しいことを求めなければこの世はずっと争いだけになってしまう………』
そんなのは嫌です!と桂さんを真っ直ぐと見据えて言った。
「そうか…ならば俺たちの手伝いをしてくれ」
『はい!』
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