一話

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一話

ある日の事だった。 私は父親に連れられ町に来ていた。 私のことを嫌っている父親が何故町に連れてきたなんてことは明白だ。 元々貧しいうえに嫌いな我が子を養うぐらいなら売った方がいいと思ったのだろう。 あんのてい人売の所へと連れていかれた。 騒いでも意味がないことなんてわかっている。 だから決して騒いだりしない。 人売からも何をされるかわからないし騒いだ所で助けは来ない。 この父親の所に産まれた私の運命だ。 そう自分に言い聞かせ牢に入った。 『馬鹿みたいな人生だな……』 それだけを言い静かに牢の隅に座った。
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