好きだからこその葛藤がそこにある

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えー。 何でこうなるの? 熱があると言っても自覚はないし元気なので、一緒に朝食をとる。 ご飯を二口食べて箸が止まった。 そこで、ようやく気付く。 私、熱あるみたい。 全然ご飯が食べられない。 「坪内さん、私やっぱり熱ありますね。ご飯食べられない。体温計壊れてると思ったけど違ったかー。」 私の言葉に坪内さんは苦笑する。 「体温計まで疑われていたとは、体温計に同情するな。」 まあね、坪内さんのことも体温計のことも疑ってましたよ。 だって全然フラフラしなかったんだもん。 「無理に食べなくていいから。俺がベッドまで運んでやるよ。」 「えっ?」 坪内さんは隣に来たかと思うと、ひょいと私をお姫様抱っこした。 軽々持ち上げられて焦る。 「自分で歩けます。」 「病人はおとなしくしろ。」 ジタバタする私に、坪内さんは一喝する。 だって、そんな、お姫様抱っこだよ? 体はくっついてるし、顔は近いし、そもそも私はこの宙ぶらりんな手をどうしたらいいの? 坪内さんの首に回せとでも? 考えれば考えるほど顔が赤くなってしまう。 「恥ずかしい~!」 「誰にも見られてないのに恥ずかしいことあるかよ。」 私の言葉に坪内さんはため息混じりに笑った。
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